もう一作拝見もう一作

もう一作拝見、もう一作拝見、てうかしがましい

f:id:bshima1-8:20131003123359j:plain

市場の呼び声に私は答える。

同じことだ。

――舞台を与えよ。

――私はお気に入るだろう。

――こいしくばたずね来てみよ。

私は袋の中から七篇の見本をとりだして、
もいちどお目にかけるまでのことだ。

愚痴は申さぬつもりでありました。

ありましたが、
どうか、
此の愚痴一つばかりは聞いて下さい。

私は、
批評家たちの分類に従うと、
自然主義的な私小説家という事になって居ります。

それは、
あなたが一口に高踏派と言われているのと同じくらいの便宜上の分類に過ぎませぬが、
私の小説の題材は、
いつも私の身辺の茶飯事から採られているので、
そんな名前をもらっているのです。

ニキビ訳者、
鴎外も、
ここでは大童で、
その訳文、
弓のつるのように、
ピンと張って見事であります。

そうして、
訳文の末に訳者としての解説を附して在りますが、
曰く、
地震の一篇は尺幅の間に無限の煙波を収めたる千古の傑作なり。

お世辞のつもりで言ってくれたのかも知れないが、
私は実に興覚めたのである。

私も、
根からの馬鹿では無い。

その夜かぎり、
粋人の服装を、
憤怒を以て放擲したのである。

それからは、
普通の服装をしているように努力した。

ミネラル 水 宅配http://kaigaitensou16.blog.shinobi.jp/