私はこの四五年のあいだ既に

私は、この四五年のあいだ既に、ただの小説を

f:id:bshima1-8:20131003123101j:plain

七篇も発表している。

ただとは、
無銭の謂いである。

けれどもこの七篇はそれぞれ、
私の生涯の小説の見本の役目をなした。

発表の当時こそ命かけての意気込みもあったのであるが、
結果からしてみると、
私はただ、
ジャアナリズムに七篇の見本を提出したに過ぎないということになったようである。

私も既に四十ちかく、
髪の毛も薄くなっていながら、
二十年間の秘めたる思いなどという女学生の言葉みたいなものを、
それも五十歳をとうに越えられているあなたに向って使用するのは、
いかにもグロテスクで、
書いている当人でさえ閉口している程なのですから、
受け取るあなたの不愉快も、
わかるように思いますが、
どうも、
他に、
なんとも書き様がございませんでした。

ニキビうまいものでしょう。

あとが読みたくなるでしょう。

物語を創るなら、
せめて、
これくらいの書き出しから説き起してみたいものですね。

最後に、
ひとつ、
これは中でも傑出しています。

地震KLEISTチリー王国の首府サンチャゴに、
千六百四十七年の大地震将に起らんとするおり、
囹圄の柱に倚りて立てる一少年あり。

私は、
そんな服装を、
憤怒を以てかなぐり捨てた。

別段、
高邁な動機からでもなかった。

私が、
その一年生の冬季休暇に、
東京へ遊びに来て、
一夜、
その粋人の服装でもって、
おでんやの縄のれんを、
ぱっとはじいた。

こう姉さん、
熱いところを一本おくれでないか。

馬 シャンプーhttp://mblg.tv/diet190/