云々。健康とそれから金銭

云々。健康とそれから金銭の条件さえ許せば、

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私も銀座のまんなかにアパアト住いをして、
毎日、
毎日、
とりかえしのつかないことを言い、
とりかえしのつかないことを行うべきでもあろうと、
いま、
白砂青松の地にいて、
籐椅子にねそべっているわが身を抓っている始末である。

六月二十日木戸一郎井原退蔵様前略。

返事は要らぬそうだが御返事をいたします。

君の赤はだかの神経に接して、
二三日、
自分に(君にではない)不潔を感じて厭な気がしていたという事も申して置きます。

自分は、
君の名を前から知っていました。

ニキビ今まで逢った事も無いこの男が、
女のためには古い親友のように思われた。

この位稽古しましたら、
そろそろ人間の猟をしに出掛けられますでしょうね。

と笑談のようにこの男に言ったらこの場合に適当ではないかしら、
と女は考えたが、
手よりは声の方が余計に顫えそうなのでそんな事を言うのは止しにした。

おまけに犬が、
それを胡乱な武器と感ちがいして、
さかんに吠えたてるかも知れぬのだから、
一つとして、
いいところが無い。

どう考えても、
絹ものをぞろりと着流し、
フェルト草履、
ステッキ、
おまけに白足袋という、
あの恰好は私には出来そうもないのである。