伏目につつましく控えている

伏目につつましく控えている碧い神経質な鋭い目も、

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官能的な桜桃色の唇も相当なものである。

肌理の細かい女のような皮膚の下から綺麗な血の色が、
薔薇色に透いて見える。

黒褐色の服に雪白の襟と袖口。

濃い藍色の絹のマントをシックに羽織っている。

文章倶楽部の愛読者通信欄に投書している文学少女を笑えません。

いや、
もっと悪い。

私は先日の手紙に於いて、
自分の事を四十ちかい、
四十ちかいと何度も言って、
もはや初老のやや落ち附いた生活人のように形容していた筈でありましたが、
はっきり申し上げると三十八歳、
けれども私は初老どころか、
昨今やっと文学のにおいを嗅ぎはじめた少年に過ぎなかったのだという事を、
いやになるほど、
はっきり知らされました。

ニキビ日本にも、
それら大家への熱愛者が五万といるのであるから、
私が、
その作品を下手にいじくりまわしたならば、
たちまち殴り倒されてしまうであろう。

めったなことは言われぬ。

それがHERBERTさんだったら、
かえって私が、
埋もれた天才を掘り出したなどと、
ほめられるかも知れないのだから、
ヘルベルトさんも気の毒である。

また私は、
どういうものだか、
自分の衣服や、
シャツや下駄に於いては極端に吝嗇である。

そんなものに金銭を費す時には、
文字どおりに、
身を切られるような苦痛を覚えるのである。

五円を懐中して下駄を買いに出掛けても、
下駄屋の前を徒らに右往左往して思いが千々に乱れ、
ついに意を決して下駄屋の隣りのビヤホオルに飛び込み、
五円を全部費消してしまうのである。

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