この画は伊太利亜で描いたもの

この画は伊太利亜で描いたもので、肩からかけて

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居る金鎖はマントワ侯の贈り物だという。

またいう、
彼の作品は常に作後の喝采を目標として、
病弱の五体に鞭うつ彼の虚栄心の結晶であった。

そうであろう。

堂々と自分のつらを、
こんなにあやしいほど美しく書き装うてしかもおそらくは、
ひとりの貴婦人へ頗る高価に売りつけたにちがいない二十三歳の小僧の、
臆面もなきふてぶてしさを思うと、
――いたたまらぬほど憎くなる。

行きづまった等、
そんな大袈裟な事を、
言える柄では無かったのです。

私は、
なんにも作品を書いていなかった。

なんにも努めていなかった。

私は、
安易な隙間隙間をねらって、
くぐりぬけて歩いて来た。

窮極の問題は、
私がいま、
なんの生き甲斐も感じていないという事に在ったのでした。

ニキビこの作家だって、
当時本国に於いては、
大いに流行した人にちがいない。

こちらが無学で、
それを知らないだけの話である。

事実、
作品に依れば、
その描写の的確、
心理の微妙、
神への強烈な凝視、
すべて、
まさしく一流中の一流である。

衣服や下駄は、
自分のお金で買うものでないと思い込んでいるらしいのである。

また現に、
私は、
三、
四年まえまでは、
季節季節に、
故郷の母から衣服その他を送ってもらっていたのである。

母は私と、
もう十年も逢わずにいるので、
私がもうこんなに分別くさい鬚男になっているのに気が附かない様子で、
送って来る着物の柄模様は、
実に派手である。

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